メイクといっても少し落ち着いた色のアイシャドーにするだけで。 ヘアといっても束ねていた髪をおろすだけで。 大掛かりなものじゃない。 所詮、高校生の劇だしそんなお金かけてられない。 「はい!次雅人の出番だよ!」 「りょーかいっ」 ミヤビくんはいつものようにニコッと笑い、舞台に出ていく。 私はチェックのワンピースを取り、みんなから見えない場所に移動した。 「……よし」 着たは着たけど。