だから私は疑問を無理矢理心の奥に押し込み、 「まぁ、いいや。今は劇だよ、劇」 台本を再び見つめた。 そうだよ、劇。 劇が終わったら聞きたいこと聞けばいい。 「君がシンデレラだね!」 「えぇ!」 「会いたかったよ!」 「私もです!」 『――こうして、シンデレラと王子様は永遠に幸せになりましたとさっ』 ワァァ…… 「……伝わらないもんだなぁ」 ミヤビくんの呟きは、歓声に掻き消された。