――チュンチュン…チュン……


眩しい光と聞こえてくる鳥の鳴き声に、ふと目が覚めた。

まだ重たく感じるまぶたをもう一度閉じて、あたしは近くの抱き枕にぎゅっとしがみつく。


あったかくって、気持ちいい……


こんな爽やかに朝を迎えるのって、何日ぶりだろ?

いつもは、ケータイのアラームがけたたましく鳴り響いて――


あれ……

もしかして、アラームが鳴る前に起きちゃったの……?


「ん……いま何時?」


時間がありそうなら、今日の授業の準備しなくちゃ。

板書計画と指導案を確認して……

朝のHRは漢字の小テストもあったっけ?


「もうすぐ10時になるトコだよ」


親切な声が、あたしに時間を教えてくれる。


10時かぁ……

………………10時?

えっ……それは午前10時のことっ!?


「遅刻」の2文字が頭にドーンと浮かんで、眠気も一気に吹き飛んでく。

パチッと目を開けた瞬間、柔らかいものがあたしの額に押し付けられた。


「――オハヨ、先生」