月下の踊り子






監獄へ戻って来た。当然ながら外には誰もいない。


中に入ると、なるべく足音を立てないように歩いた。


舞歌を独房に戻す道程で山口と寝ている三村に出くわした。


山口は「早く行け」とジェスチャーする。


それに頷いて、舞歌と私は足早に独房まで戻って行った。


舞歌が独房の中に入ると、マスターキーで鍵を閉め、それで全ての作戦が終了した。


私は慣れているが徹夜させているので舞歌の方はもうそろそろ休ませないと今日の作業に響くだろう。


ここは少しでも寝かせるべきだが最後にもう一つだけ聞かねばならない事を質問した。



「舞歌、今日は楽しかったか」

「はい。勿論です」



笑顔で答えてくれた。


その笑顔が本日の看守として愚かとしか言いようがない作戦に最大の意義を齎した。