「そろそろ時間ですよね?」
「そうだな」
腕時計を確認する。
帰りの時間を計算するとこの場所にいられる時間はもう十数分程度しかない。
帰りは気を張る必要はない。
外には見回りの看守はいないし、山口の協力で三村の事も気にする必要がなくなったからだ。
「帰るとするか」
「あ、羽鳥さんちょっと待って下さい」
立ち上がると舞歌は袖を引っ張って引き止めた。
そして頬を紅潮させたまま「帰る前にもう一度、キスして下さい」と頼んだ。
舞歌の腰に手を回す。
ゆっくりと互いに瞳を閉じ、唇を重ねあった。
この時間が永遠であればいいのに。

