「あっ」と突然、舞歌が声を上げた。何かを発見したようだ。 煙草を吸いながら海を眺めていた私の肩を叩く。 「羽鳥さん、見て下さい。海の家ですよ」 「どうして冬場にそんなもんが」 月明かりを頼りにその家まで歩を進める。 そこにあったのは海の家と言うより、廃墟だった。 木造のその家は辛うじて家という形をしているだけ。 元々は舞歌の言う通り海の家だったのだろうが今は見る影もない。 遠慮なしに舞歌は古びた家の中へと入るときょろきょろと周囲を見回す。 何かを探しているようだ。