月下の踊り子






「ん~……良い気持ち」



車から下りると舞歌は先ず大きな伸びをした。


二年。


それは多感な年頃の人間にとってあまりにも長すぎる時間だ。


その二年分の失われた時間をこの短時間でどれだけ取り戻す事が出来るのだろう。


不確定な感情が込み上げる。


これは、不安だろうか。


自分は舞歌にこの自由をどれだけ満足させる事が出来るのか分からない。



「海の香りがします」



しかしその不安も杞憂に終わるようだ。


既に舞歌はこの一時を堪能している。