「じゅんちゃん」
母が私の名を呼ぶ。
それは手を繋いだ幼い頃の私ではなく、夢の傍観者である今の羽鳥淳二に。
「あなたは今もこんな風に笑ってくれているかしら」
母は手を繋いだ子供に目をやり、問いかける。
私はその問いに力強く頷いた。
ああ、大丈夫だよ母さん。
昔は笑うのが苦手な時期もあったけど今は本当に楽しい時は笑う事が出来る。
それに私は母さんによく似た人に巡り逢った。
そいつといると心に仮面をつける必要がないんだ。
不器用だけど一生懸命でいつまでも夢を追っている。
そして――傍にいるだけで誰よりも私を安心させてくれる。

