月下の踊り子





☆間奏☆



「羽鳥さん?」



約束の十分が経った。


軽く身体を揺すってみるが反応はない。


叩いてみるか。いや、それではあまりに可哀相だ。


寝顔をじっと見詰める。


言ったらきっと怒られるだろうけどまるで安心しきったような子供の寝顔。


少し悪戯してみたくなってきた。きょろきょろと車の中から周囲を見回す。


当たり前だが誰もいない。


ほんのちょっとだけ悪戯。


眠っているその人の頬を引っ張る。


好きなようにやられ、抵抗する素振りも見せず、変な顔が完成していた。