月下の踊り子





行き場所を考えていない訳ではないが舞歌が行きたい場所があったらそれを優先させよう。


悩んだ舞歌はしばらくしてポンッと手を打つ。どうやら思いついたようだ。



「海が見える場所が良いです」

「こんな冬場にか?」

「はい」

「きっと水は相当、冷たいぞ」

「誰が泳ぐって言いました。ここ三年くらい見てませんでしたから。久しぶりに見たいな~って思ったんです。駄目ですか?」

「いや、了解した」



右に曲がる。


確か、この一キロ先くらいに海の見える堤防があったはずだ。


幸い車の数は少ない。五分もあれば辿り着くだろう。