月下の踊り子





「……はぁ」



山口は大きく息を吐いてから、



「しんどかった」



拳銃を下ろしてそう呟いた。



「山、口?」

「まぁ何だかお急ぎのようだから簡潔に事情を話してくれよ」

「あ、ああ」



私は山口に脱走に関する事を包み隠さず話した。


最早、隠す必要など何処にもないから。


説明は一分ほどで終わった。


山口は下唇を突き出して、しかめっ面のままコクコクと頷くばかり。