月下の踊り子





その人物に目を疑う。


振り返った瞬間、目に飛び込んできた人物は無表情のまま私に銃口を向けていた。



「山口……」



その者の名を口にする。


何故、山口が私達の足を止める。


理解出来ない。


出来る事なら何でも協力すると言ったはずなのに。


いや、当然か。


疑問は一瞬にして解決された。


山口は出来る事なら協力すると言った。


これは出来る範囲の事ではない。


看守として決して許されるような行為ではなかった。