外へ繋がる扉を開けた。
刺すような冷たい風に見舞われる。
舞歌は被っている帽子が吹き飛ばないように手で抑えつけた。
ここが正念場だ。
身を隠す場所はない。
遠くからだろうと不審な動きをしている者がいれば銃殺されても文句が言えない領域。
距離にして300メートル弱。
「舞歌。一気に駆け抜けるぞ」
「は、はい」
緊張した面持ちで舞歌は力強く頷いた。
私は舞歌の手をもう一度強く握り締める。
手には汗が浮かんでいた。舞歌のだけではない。
自分自身も緊張しているのだ。
しかしそれを悟られてはいけない。
舞歌の緊張はピークに達している。
だから、せめて「大丈夫だ」と平気なふりをして言葉を掛けてやる事にした。
大丈夫だ。落ち着け。必ず巧くいく。
心の中で自分に言い聞かせるように呟く。
そして第一歩を踏み出そうとした瞬間――。

