月下の踊り子




独房に辿り着く。舞歌はボーっと空を眺めていた。



「舞歌」

「あっ羽鳥さん」

「早くこれに着替えるんだ」



牢の隙間から持ってきた紙袋を投げ渡す。



「これって……」


中に入っていたのは私の看守服だった。


囚人服のまま出てしまったら流石に目立ってしまう。私服も同じ。


だが、看守服なら遠目からならば多少は誤魔化せるだろう。


舞歌は私をみつめている。


何か言いたげで、でも言いよどんでる様なそんな目で。



「どうした?早くしろ」

「あの……着替えますから、羽鳥さん後ろ向いててくれませんか」

「いちいち着ている物を脱がなくて良い。そのまま着れば良いじゃないか」

「あっ、そ、そうですよね」