月下の踊り子





もうその壁を突き崩すのは不可能なようだ。


一体どうして……。舞歌の考えが分からない。



「でもですね」



舞歌は少し躊躇いがちに言葉を続ける。



「羽鳥さんと一回だけ外でデートというのはしてみたいです」

「……それが、舞歌の最後の望みなのか?」

「はい、そうなりますね」

「分かった」



そうか、と静かに瞳を閉じる。


それが舞歌の望みならば全力で応えよう。