爽やかな黒の短髪。 急いで来たのか額には汗が滲んでいる。 見上げるほどの高い目の位置。 そのタレ目の瞳。 「おにいちゃま!」 ぴょこっと顔を出した唯ちゃん。 唯ちゃんの声で、なんとなく振り返った坂口くん。 わたしは驚きつつも、ゆっくり声を発する。 「まき、むらくん...」 「中村さんに... うきょー?」 いぶかしむ顔つきでわたしから奥の坂口くんへ視線を移す。 その目線を追うと、明らかに坂口くんの顔から、頭へと移動した。