「なによう...」
俺の視線に気づいたのか、やっと黙る中村。
「俺、口説いてなんかないけど」
その言葉に、彼女は目をぱちぱちさせる。
そしてすぐに隣にいる佐伯さんを見る。
「そうよ〜?ただイケメンを眺めてただけ〜」
「いやあ、眼福眼福」と佐伯さんは満足げ。
自分でも、自身が恵まれた体格に外見だとわかっている。
しかしこんなにも、まっすぐ言われると照れる。
「え、え、どういうこと?」
「だからー。あたしが迫ってただけっ」
ここぞとばかりに可愛らしく答える彼女。
だがあの時の彼女の目は、ハンターそのものだった。
「ごめんね、右京くん。姪っ子が迷惑かけちゃって」
姪っ子。その言葉に、中村の申し込み書を思い出す。
母さんの仕事を少し手伝っていると、一度見た書類は暗記できる特技が身についた。
これは学問にも少しだけ応用できる。

