「家政婦ってのはもちろん仲介として間に会社が入る」

「会社、つまり俺んちな」



わたしのB組の教室に入り、後ろの黒板に簡単な図を描く。


会社の絵、家政婦さん、お客さん...。


絵うまっ!!


料理センスもあれば、美術センスもあるのか。



「だけど家政婦にも、お客様に合う合わないがある。

それで本契約は家政婦本人、お客様本人で行うんだ」



目線でわたしの手元のプリントを指す。


氏名や契約内容など、ほんとにちゃんとしたやつ。


近くの椅子に座り、プリントに次々記入していく。


坂口くんはもちろん前の席に座る。