沙織と教室の前で談笑していると、一人の男子が立ち止まる。



「おまえ、本気か?」

「...坂口くん」



ヘーゼルの瞳がわたしを捉える。



沙織は不思議に思いながらも、何かに気づいたのか口を挟まない。



昨日の電話のこと言ってるんだ。



なんか、改まって言われると恥ずかしいんですけど。


しかも周りの視線集まってるし!



すると彼は見かねたのか、右手に持っていた小さなバッグを差し出した。



「何、これ...」



エコバッグと同じヒヨコのワンポイントが目立つ、お弁当?