「大好きって...」



震えた右手で口元を覆う。


ぎゅうっともう片方の手で、俺の服をつかむ。


彼女を支えながら、その瞳を見つめる。



「どうしよう...右京くん...」



「ん?」



服をつかむ手に力が入る。



「わたし...嬉しい」



瞳に涙を浮かべて、やんわりと微笑む彼女。



「はじめて、言ってもらえた...」


「うん」



「言葉って、ほんと苦しいね」


「うん」



支える姿勢から、ゆっくりと包み込むように抱きしめる。


小さな存在が腕の中で微かに震える。