「オムライス...」 「そう。でもこれで終わりじゃない」 坂口くんは楕円形の卵にそっとナイフを入れ、ツーっと切ると中から半熟の卵が現れた。 ケチャップライスが半熟卵に優しく包まれる。 「これ、これっ、わたしが好きなやつ!」 数あるオムライスの中でもドンピシャなことが、あまりにも嬉しくて彼を見上げる。 「知ってる」 わ...。 昼間見た坂口くんとは全く違う、優しくて本当に心から安心している表情。 あの時の冷酷さなんて、全く感じられない。