親父さんはケータイと財布をポケットに詰める。 「じゃ、小春。戸締りよろしくな」 「ほえ?」 「坂口くん、小春の世話頼むよ」 「え、はい」 それぞれにバッチリと忠告する。 親父さんの言葉に違和感を覚える。 「世話っていうのは?」 だって、俺今日で終わるわけだし。 今日だって契約終了の書類を手に持ってる。 手元のファイルに目線を落とす。 「ああ。言い忘れてた」 ごそごそとポケットからスマホを取り出す。