「嘘だろ...どこだ相手!
UST? あんのウサギヤロおお!」
大きな舌打ちをこぼし、怒りの表情をあらわにする。
お?
明らかに危ない状況が漂い、小春と顔を見合わせる。
「おお。わかった。今すぐに行く」
プッと電話を切ると、重々しく顔を上げる親父さん。
「わりっ。今からベトナム行ってくるわ」
あはっ、とお茶目に笑う親父さん。
「ちょっと! なにそのお使い行ってくるみたいなノリ!」
「仕方ないだろ。ライバル企業に先越されちゃたまんねーよ!」
慌ただしく洗濯場へ向かい、大きな声が返ってくる。
そして驚くべき早ワザでスーツを身にまとい、リビングへ颯爽と現れる。
さすがに髪を構う暇はなかったのか乱れたまま。

