結局、坂口くんが唯ちゃんをなだめて一件落着。
牧村くんと手をつなぐのも渋々だったもん。
坂口くんのイケメンオーラは、幼児までも虜にする。
恐るべし。
「何見てんだよ」
「べつにー。幼女までも虜にするんだなって」
唇を尖らせて答える。
「妙な言い方すんな!」
なんとなく面白くなくて、ついそんな言い方をしてしまう。
「なに。ヤキモチ焼いてんの?」
「っち、バカじゃないの?!」
赤い顔をプイッと反らせて更衣室へ急ぐ。
エプロンの紐を解くも物思いに耽る。
どんな冷たい振る舞いしたって、女の子たちは坂口くんを見てキャーキャー言う。
それに...。
坂口くんのあの言葉を思い出す。
『好きでもない相手と付き合えるのか?』
好きな相手なら付き合えるってことだよね。
それはもちろんわかってる。
...ただ、本当に好きな人がいたことがなんかショック。
なんでだろう。

