パキリ。 何かの割れるような音が、脳内で木霊する。

もう、こんなおかしな事にも慣れてしまった自分に、危機感すら持てない。

次の瞬間には、音の事など忘れ、また前を向く。


まぁ、理由は今が授業中っていうのもあるけど。



私は、教室の真ん中の良くも悪くもない席で、頬杖をつきながら再び授業に耳を傾け始めた。

先生のだるそうな声だけが響く、せまい教室。


一見、なんてことない普通の風景。

熱心にノートをとる人、手紙を回す人、居眠りをする人。


ありがちな高校生の授業態度だろう。



…けれど、一点だけ、確実に普通と違う様子。

それは、この教室に居る、先生や私含めた生徒全員に共通して言える事。