Reminiscence

「つまりお前なんかがネニャフルで正体を明かしてみろ。私の同行者ということで法の派閥に連れ込まれ、一生出ていけなくなるに決まっている。ルーナフィアナというのだから、なおさら自由には動けなくなるぞ」
「あ、あぶな……」
フェンは青ざめてぎゅっとランジェを抱きしめた。
「ぐぅ……」
ランジェは苦しそうにもがいたが、フェンはランジェをがっちりと抱きしめており、しばらくするとランジェはぐったりとしてしまった。
旅人はそんなランジェを気の毒そうに見つめながら言った。
「しかし、ここで冬を過ごす予定だからな。シエン含めて気をつけろ」