Reminiscence

「フェン!」
旅人の呼ぶ声に、フェンはランジェに乗ったまま帰った。
「殺さぬのか?」
縛り付けられた野盗を見てランジェが不満そうに言った。
ランジェが前足で野盗をつつくと、周辺の野盗が悲鳴を上げた。
「人殺しは趣味じゃない。シエンもマナの巡りが悪くなった奴が同行者じゃ気分が悪いだろう?」
「そのときは私が喰らう」
「フェンはどうする?」
「ふん」
ランジェがそっぽを向くと、フェンはランジェの背中から飛び降りて旅人に問いかけた。
「それよりも師匠、この野盗たちはどうするんですか?」