Reminiscence

「そして、おそらくここが野盗の根城だ」
旅人は道の途切れたところからまっすぐひっぱった線と、ついさっき書いた線を伸ばしてかち合ったところに丸印を書いた。
「戻ったとしても、感づかれれば、先回りされる。道を外れるのは危ないし、戻って別の道を探していたら時間がかかる。そろそろ夜だ。動けなくなったところを押さえられるのは一番危ないだろう」
「でも盗賊の根城にわざわざ行くなんて……」
「それに、おそらくこの場所を抜けたら、ネニャフルまでは一直線だ」
「え、なぜですか?」
「金を奪い取っても、森のなかじゃぁ価値はない。それにネニャフルでは人売りが公式にされているからな」
フェンはさあ、と顔と青くした。