「まず、左の髪を一房残して肩まで切る。そして月光草からとれる繊維で編んだ紐を残した一房に結ぶんだよ」
「月光草?でもそれって精霊の森でしかつめない薬草でしょう?そんなの買えないわ」
すると旅人は古びたマントの中から一本の飾り紐を取り出した。
「これには月光草の繊維が織り込んである。月がでると、その繊維が光るんだ」
「綺麗な模様……」
フェンは飾り紐を受け取ると、うっとりとそれを見つめた。
「さあ、おまじないを試してみるかい?」
「うん!」
フェンが元気よくうなずくと、旅人もうなずき返してナイフを取り出した。
そして左の髪を一房だけ残して肩の高さまで切ってしまうと、月光草を織り込んだ飾り紐をフェンの髪に結んだ。