ある日、フェンが精霊の森のそばで歌を歌っていると、そこに旅人が通りかかった。
フェンは歌うのをやめようとしたが、旅人は歌うように、と促したためフェンは最後まで歌い切った。
歌い終わってフェンがたどたどしくお辞儀をすると、旅人は拍手をしてくれた。
「こんなところで歌っていて、怖くはないのかい?」
「旅人さんこそ、怖くないの?」
「私は魔法が使えるからね。逃げるくらいならできるんだよ」
「魔法!旅人さんは魔法が使えるのね」
「ああ、でも君には教えられないけどね」
「どうして?」
「魔法はマナをもってないと使えないんだよ。君にはないようだ」
旅人に言われて、フェンはがっかりした。