Reminiscence

最後はフェンだった。
「フェン。15歳。もうわかってると思うが、契約者だ。先に言っておくが、ぼくは騎士として一生を過ごすつもりはない。わざわざ存在を変えてまで騎士の誓約をおこなった。ぼくはこの国の、とくに結界、信仰の問題が解決されるまでの間だけ騎士となる」
フェンの言葉にあたりは一気にざわついた。
「存在を変えて?そんなの不可能だわ」
ポーが信じられないとでも言うように、首を振った。
「フェンが、ただの名前の略ならそうだったかもしれない。でもぼくは、本当のぼくとは違う存在としてフェンを名乗ってる。だから、ぼくの本名はフェンだ。ぼくがフェンであることをやめたとき、ぼくは騎士ではなくなり、本当のぼくに戻る」
「そんなことが可能なのか……」
アシュレイが茫然としたように呟く。
「……なら俺も騎士やめたいんだけど」
アズがそうつぶやくと、ティーはアズときっとにらみつけ、それから手を叩いて皆の注意をひいた。
「フェンはこう言ってるが、王女はいつかはフェンに本当の名前で誓約させるとおっしゃった。皆は無駄なことで騒ぐ必要はない。とりあえず、顔合わせは終わった。皆やるべきことがあるだろう。アズとフェンは僕についてきて。儀礼的なものだけど、入学試験があるから」