Reminiscence

ティターニアは去り、フェンとジャスパーを部屋に案内したのは、アシュレイと名乗った亜麻色の髪の少年だった。
「まあ、今夜はいろいろと考えることがあるだろう。双方とも穏やかな夜にはならないだろうけど……特に君は気になることが多すぎるだろうし」
アシュレイはフェンを見てそう言った。
「それじゃ」
アシュレイはそれだけ言うと、去ってしまった。
「お前、名前は?」
部屋に入る前にジャスパーがフェンにたずねた。
フェンはそれには答えなかった。
「お前は……ぼくを恨まないのか?ぼくのせいでなりたくもない騎士になったのに」
「いや、今は感謝してる。俺の兄もこの国の中途半端な結界のせいで死んだんだ。お前に巻き込まれなきゃ俺はたぶん何も知らないまま、何も出来ないままただの野盗になってただろうからな」
ジャスパーはそう言うとティターニアからもらったフェンの袋を投げて返した。
「それも返してやるよ。もう必要もなくなったし。じゃあな」
ジャスパーは手をひらひらと振って自分の部屋に入っていった。