泥棒の少年、ジャスパーは喉もとに棍の先を突きつけられ、ぴたっと体の動きを止めた。
恐る恐る後ろを見るも、そこは壁で逃げることは出来そうもない。
「さあ、その袋を返すんだ」
フードを被った少年が棍を喉もとに突きつけたままじりじりと寄ってくる。
ジャスパーはその動きに合わせて後ずさりしたい気持ちでいっぱいだったが、生憎後ろは壁だった。
フードに隠れた少年の顔がジャスパーにもわかるほど近くなる。
右目を眼帯で覆い、緑色の瞳は厳しく細められていた。