Reminiscence

ダンテが何か事件を起こしたと聞いた。
「ダンテ！」
ノックもなしにダンテの部屋に入ると、どこか雰囲気の変わったダンテがそこにいた。
「え……」
一瞬、その人物がダンテなのかどうかわからなくなるほどだった。
「ミカゲか……お前も話をきいたのか？」
「詳しくは知らないわ……でも、嘘よね。派閥を抜けるなんて、そんな……」
「決めたことだ」
ダンテは冷たく言い放った。
「ヒスイの魔力も削ったし、幹部の娘も再起不能にした。それだけなら追放にならないが、俺が抜けると決めたんだ」
「削った……なんて、どういう」
「俺は本来、法の派閥にいるべきじゃなかったんだ。あの変わり者の霊の派閥に最初からいれば、こんなことにはならなかったんじゃないかと思うこともあった」