Reminiscence

「すげえな。正式に先生に弟子入りしたんだ」
「うん……とてもうれしい。大好きな先生だから」
「おめでとうミカゲ……やべ、なんか俺もすごくうれしくなってきた」
ダンテは恥ずかしそうに右手で口を覆った。
気持ちはわかる。
嬉しいことがあると口元がにやけてくるから。
「やっぱり議員になるのが目下の目標か？」
「ええ。法の派閥として、ネンサ先生の弟子として、政治には興味があるから」
「ふぅん。俺は習ったのを覚えるだけで十分だな」
「よく言う！魔力も才能も私以上のくせに！」
「あーでも」
ダンテは気の抜けたような自然な笑みをこぼした。
「ミカゲには一生敵わないと思う。ミカゲの努力は俺にはできないからな」
ミカゲは頬が熱くなるのを感じながら言葉を詰まらせた。