Reminiscence

「あれ、ネンサ。その子は新規?」
御影と女性にいち早く気付いて近づいてきたのは美しい容貌の子供だった。
歳は御影と同じくらいに見える。
「先生、と呼びなさい。それに新規なんていやな言葉を使わないの。東端の龍国から来た子よ」
「異世界とつながってるっていう?へえ、ネ……先生が連れてくるくらいだからすごいんだ」
「ほら、挨拶しなさい。御影」
「わ、私……」
御影が声を出すと、子供が割り込んできた。
「俺はダンテ。ウィザードは本名を人に教えちゃだめなんだ。だから、お前も名乗るときはミカゲとだけ名乗ったほうがいいぞ」