Reminiscence

正直、双子と遊ぶのは楽しかった。
クラドの村にいたころを思い出すから。
旅人を失い、傷ついた心が癒えていくようだった。
ヒスイという男は完全には信用できないが、それはウィザードであるがゆえなのだろう。
ここの人たちは皆気前がいい。
フェンは屋敷の雰囲気に少しずつ打ち解けていった。
それは、しばらくここに留まってもいいと思うほどに。
「フェン」
屋敷ではずっと猫の姿のランジェが話しかけてきた。
「ここに、あまり馴染んではいけない。ここは、お前にとって、きっと良くない場所だ」
ランジェの声はどこか痛ましげだった。
しかし、フェンがどうして、と聞こうとすると、どこかへ行ってしまった。
フェンはランジェが見えなくなるまで、不安を感じつつその姿を見送っていた。
「どうして……?」
フェンはぽつりとつぶやいた。