Reminiscence

また、ほかにも気づいた点がある。
フェンの持つ棍のことだ。
どうやらこれはフェンの成長に合わせて自らも成長しているようなのだ。
フェンの話によるとその棍は精霊のもう一つの躯ということなので、正確には力を徐々に開放していっているのかもしれない。
つまり、その棍はフェンの体格や身長に合わせて、その比率を変えることなく、伸びたり太くなったり重みが増したりしているようなのだ。
また、棍のもつ魔力の質や量も変わっていっている。
棍は両先端部に重みのある金属がはめ込まれており、白銀の棒に黄金のルーンによる紋様が刻まれている。いずれも材質は不明。
時折紋様が消えていることがあり、その際、棍の魔力は半減している。