Reminiscence

「最初から出し惜しみはしない！剣技、流突星っ」
旅人は一気に化け物の背中に向かって二本の剣を振り下ろした。
それはさながら流れ星のように化け物の背中へ落ちていく。
流突星は一点集中の破壊力の強い技だ。
座標が特定される技のため、命中率は低いが、このような巨大な化け物には有効な技だった。
しかし、その剣先が化け物に届く前に旅人は何かにはじかれた。
旅人が見上げると、いつの間に、化け物の背中には無数の蝙蝠のような翼が生えていた。
「さながらあれは盾と言ったところか？」
旅人はそうつぶやくと、にやりと笑って剣を構えなおした。
「簡単にはいかないようだ」