それから一週間、旅人はあまりしゃべらず、初めて会ったころには気づかなかったであろう、薄い、鋭利な殺意のようなものを研ぎらせていた。
フェンは不安に思いながら旅人を見つめていた。
もし……もし師匠が復讐を考えて南の国境に行こう、と言い出したのであれば、私は……どうすればいいのだろう。
私を連れて行くつもりはあるようだった。
だけど、思えば旅人は性急にフェンを一人前にしようとしていた。
復讐を手伝わせるため?
違う気がする。
師匠は集団よりも独りで戦うほうが向いている。
私がいたところでお荷物だろう。