Reminiscence

ロマはフェンの気持ちを知ってか知らずか、曖昧に苦笑した。
「ロマバーク流はそれ以前からあったんだ。刀を持つ前から彼はゼルシュでも5本の指に入る実力者だった。それも、自ら作り上げた技術をもってしてな。ロマバーク様は俺たちにとっては英雄のような存在だ」
「ほぉ。あれだけの技を一人で組み立てたのか。恐ろしい才能だな」
旅人は感嘆したように声を上げた。
以前いくつか彼の技を見たことがあるのだろう。
「それで、それをフェンに学ばせるつもりはあるのか?」
「選定は見た記憶によるのだが、ロマバーク様のところにたどり着けるというのは、才能があるということだ。恩人でもある。すべて叩き込むつもりでいるさ」