Reminiscence

「そうか……つまり嬢ちゃんがロマバーク様を千億の痛き眠りから解放してくれたんだな」
フェンの話を聞いてロマはしんみりとほほ笑んだ。
ルーナフィアナのことは、ゼルシュの人間だからということもあってか、そこまで気にならなかったようなのでフェンはほっとしていた。
「千億の痛き眠り、ですか?」
「ロマバーク流の後継者は皆あの封印をそう呼んでいる」
「それにしても、どうしてそんなに尊敬しているのですか?自ら封印し償ったとはいえ、諸悪の根源もまた彼ですよ?」
フェンは少し言い方がきつくなってしまったかな、と不安に思いながらロマを見上げた。