Reminiscence

「フェン!」
家に帰ると真っ先に母親がフェンの名を呼んでフェンを抱きしめた。
家に帰るまでは誰にも会わず、村はひっそりと息をひそめていた。
「ああ、旅人さまがフェンを見つけてくださったのですね……3女神さま、旅人さま、ありがとうごさいます」
フェンの母親はフェンを抱きしめてそのまま泣き崩れてしまった。
騒ぎを聞きつけたのか、慌てたように祖父も現れた。
祖父はフェンの姿を見ると、茫然としたように呟いた。
「フェン……その姿は……ルーナフィアナ?まさか、精霊と契約したのか?」