Reminiscence

フェンは驚いて旅人を見上げた。
ミカゲから、聖リーディアス王国はゼルシュとウィスラーの南北から戦争を仕掛けられていると聞いていた。
そのうちゼルシュはスパイやアサシンなど、諜報や暗殺を得意としているとの話だった。
「そんな簡単にセント・リーディアスに入れちゃうんですか?」
「国に雇われたやつは入れん。セント・リーディアスには建国当時に作られた結界があるからな。だがあいつはただの狩人だよ。アサシンを仕事の道具にはするが戦争は好かないそうだ」
ああ、とフェンは納得したように声をあげた。
「精霊と王が作ったっていう守護の結界ですよね」