Reminiscence

「月光草を?」
「それについてはまた話す機会があるだろう。それは今ではない」
ランジェはそれだけ言うと、白銀の躯を丸めて眠りについた。
フェンはどうしても眠れず、窓を開けた。
魔石が光り、浮く不思議な眺めがそこにあった。
しかし、初めて見たときは冷たく感じたそれも、今はぼやけているように感じる。
空気が暖かいせいだろうか。
それとも、明日からまた旅を再開する、ということの不安をそこに感じているのだろうか。