兄と妹。血の繋がった兄妹。
もし二人に恋愛感情が潜んでいたとしても、世間はそれを認めはしない。
少しの可能性も、二人には残っていない。

「……諦めないと」

そう思った。何度も、何度も。
だけどお兄ちゃんを目にするたび、愛おしいと思う気持ちは増す。

これではキリがない。
いつになっても、諦められない。

この恋は自分までもを苦しめる。
そしてお兄ちゃんに打ち明ければ、お兄ちゃんまでもが苦しんでしまう。

だから、誰にも気付かれぬ前に、この気持ちが爆発する前に、消してしまわなければ。
なかったことにしなければ。