わたしは今お兄ちゃんの部屋の前で固まっている。
あれから一度もお兄ちゃんの姿を見ていない。
よほどわたしの言動がショックだったんだ。
だから、改めてちゃんと謝らなきゃ。
そんな思いを胸に、わたしはお兄ちゃんの部屋の扉をノックできずにいた。
まだ恐怖が心のうちにあった。
だけどそんなものを恐れていては、なにもできない。
手をグーの形にして、そっと扉に当てたときだった。
「ひやぁっ」
扉がいきなり開いた。
驚いて思わず声が漏れる。
「美沙?」
扉から現れたのは、もちろんお兄ちゃんで。
久々に聞くその懐かしい声に、胸がときめくのを感じた。
「どうしてここに?」
意外に何もなかったかのような話し方に、ほっとした。
もしかしたら無視されるかも、と思っていたのだ。
「えっと、あの……」
わたしはうまく言葉が出ずに、口篭った。
そんなわたしに、お兄ちゃんの手が伸びてきた。
殴られる。
そう思って、目を瞑った。
「ごめんな、美沙」
ところがお兄ちゃんはわたしの髪を優しく撫でてくれるだけだった。
わたしはお兄ちゃんの言動に驚きを覚えた。
あれから一度もお兄ちゃんの姿を見ていない。
よほどわたしの言動がショックだったんだ。
だから、改めてちゃんと謝らなきゃ。
そんな思いを胸に、わたしはお兄ちゃんの部屋の扉をノックできずにいた。
まだ恐怖が心のうちにあった。
だけどそんなものを恐れていては、なにもできない。
手をグーの形にして、そっと扉に当てたときだった。
「ひやぁっ」
扉がいきなり開いた。
驚いて思わず声が漏れる。
「美沙?」
扉から現れたのは、もちろんお兄ちゃんで。
久々に聞くその懐かしい声に、胸がときめくのを感じた。
「どうしてここに?」
意外に何もなかったかのような話し方に、ほっとした。
もしかしたら無視されるかも、と思っていたのだ。
「えっと、あの……」
わたしはうまく言葉が出ずに、口篭った。
そんなわたしに、お兄ちゃんの手が伸びてきた。
殴られる。
そう思って、目を瞑った。
「ごめんな、美沙」
ところがお兄ちゃんはわたしの髪を優しく撫でてくれるだけだった。
わたしはお兄ちゃんの言動に驚きを覚えた。