わたしは、ずっと前から悩んでいることがある。

ブラコンよりも重症な兄好き。もう兄ではなく、一人の男としか見られないのだ。
そのうえ、自分の想いの暴走が止められなくなってきた。
今日もそうだ。行っては駄目だと体に命令するが、体はきかない。勝手にふらふらと、お兄ちゃんの部屋へと動いていた。

考え直すと、それはとても恐ろしいことだ。
理性を失うなんて、どうかしている。本当に自分は、大丈夫なのだろうか。


そんな考えを振り払うかのように、わたしは頭を振った。
やめよう。そんな暗い考えは。

それに、この想いは諦めなくてはいけないのだ。
兄妹同士の恋愛なんて、許されないものなのだから。

そう、諦めればこんな想いせずに済む。

わたしはそう思うと、ベッドにもぐった。
明日は入学式だからね。