吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)



「そうだね。ぼく達はもう友達だね」シータから待っていた答えが返ってきた。


ただ、ちょっと躊躇した表情を見せたのが引っ掛かった。


「あの女の人とはどんな関係なの?」


イオタは無理やり友達だと言わせてしまったと感じ、質問をすることで雰囲気を変えてみる。


「舞台で君と会話したことは二人だけの秘密だよ。あの女の人に話してはいけない」


シータは真面目な顔をして言った。


「どうして?」