「もちろん」 イオタは一つ返事で頷く。 「うれしいよ、イオタ君」 シータの目の端が光った。汗じゃなく涙だとすると、シータは感激屋さんなのかもしれない。 「ぼくらはもう友達じゃないか」 イオタは“友達”というキーワードを持ち出すのを早まったかもしれないと、言ったあとで自分の舌を引っこ抜きたい気持ちになる。 「友達……か」視線を逸らし、シータが深刻に考える様子を見て、イオタは自分の軽はずみな発言を反省した。